1年以上前に脳出血で倒れて、体の右側が麻痺してから、ずっと車椅子の生活の母。
年始に日本へ行った時も、右足は少し動くようになっていたものの、右手はピクリとも動きませんでした。
でも!!
数日前に弟が、「少しぴくぴく動いたよ。」とビデオを送ってきてくれました!!
今まで、石のようだった指が、ほんの少しですが、動いています。
みんなで大喜びです。
弟は、本当によく母の面倒を見てくれています。
言っては悪いけど、予想しなかったことです。
あまり感情を表さないので、母への愛情がそんなにあるとは思っていませんでした。
おかげで、私はスペインに戻って、今まで通り生活していけてるわけで、ありがたいことです。
母の話に戻ります。
母は、元からまじめで頑張り屋のところもあるので、根気よくリハビリを続けていました。
1年間、石のように動かず、冷たい手を、なんとか動かそうとするのは、大変な事。
でも、「動くようになるのかしらね。」と言いながらも、周りに助けられながら、希望を捨てずに、頑張りました。
叔父も脳出血で倒れて、半身不随になってしまったのですが、母とは反対に、リハビリを拒否し続け、5年間ベッドから起き上がる事なく、亡くなりました。
絶望的な状況でも、諦めずに前進していけば、なんとかなるものです。
最初は前進ではなく、足踏みかもしれません。
でも、足踏みをさんざんした後には、必ず一歩踏み出す日が来ます。
そして、また一歩、また一歩と進むごとに、希望はどんどん大きくなり、最後には達成できるものです。
とはいえ、絶望的な状況にいる人に、一人で頑張れといっても、それは大変。
私達元気な人達が支えてあげないと。
人生はみんなで行う共同作業。
大変な状況にいる人は、元気な人に助けを求める。
元気な人はその人の手伝いをする。
母もそうやって、手が動くようになりました。
ゴンサレス靖子