「自分に強みがあるとは思えない。」という方がいます。
それに対して、私の本音は、「またまた、そんな事言って~。そんな訳ないじゃな~い。」
この前そう言っていた方も、素晴らしい強みをたくさん持っていました。
彼女の一番の強みは、とにかく人に尽くす事。
人が喜びそうな事をどんどんやります。
相手が何をして欲しいかよく考えて、
「え~~!! いいの? そんな事までやってもらっちゃって。」と思われるような事もやります。
あなたの周りにもたまにいませんか、そういう人。
ちょっと困った事があると、「え、いいの?」と思うぐらい、太っ腹に手を差し伸べてくれる人。
その人自身は、無理してやっているわけではなく、自分の内側から自然と出てくる行動なので、「いいの、いいの、そんな事気にしないで。」とまったく気にしていない様子。
だから、これが自分の強みだと気づかないんです。
ただ、何の見返りもなく人に尽くすか、というと、実はそうではないのです。
そこが、ちょっと難しいところ。
本人は無意識に人に尽くし、無意識に見返りを求めています。
その見返りとは、「相手に喜んでもらう」という事。
だから、相手に喜んでもらえなかった時は、かなりがっかりし、傷つく事さえあります。
だから、この強みを使うときは、気を付けなければなりません。
私の母はこの強みを持っています。(強み診断をやってもらっていないので、確実ではないのですが)
もう昔の話ですが、私が日本へ帰ってきた時、私を喜ばせようと、旅行の予定を立てていたことがありました。
その気持ちは嬉しいのですが、私は私で、自分で他の予定をぎっしりと入れていたので、困りました。
「この日に旅行いきましょう。もうホテル予約して、切符も買ってあるから。」と言われて、
思わず「や~~、その日は友達と約束あるんだけどな~。なんで勝手に決めるの?? 先に言ってよ~~!!」と心の中で思い、いや~~な顔をしてしまった時があります。
母は、私を喜ばせようと思ってやった事。
だから、私の反応を見て、怒ったり、悲しんだり。
(余談:結局母と旅行行きましたよ~~。)
実はこの「人に尽しまくる強み」は、人に認めてもらいたいという欲求から来ています。(ストレングスファインダーの「自我」)
人に尽くすのは、人に喜んでもらいたいから。
人に喜んでもらう事は、人に自分がやった事を認めてもらえた、と言う証拠です。
だから、人に喜んでもらって初めて強みとして活かす事ができて、充実感を感じます。
この資質を持った「自分に強みがあるとは思えない。」と言っていた方は、人に尽くしまくるものの、喜んでもらえない場合も多く、自分の強みを十分活かせていませんでした。
だから、少し、元気がありませんでした。
ただ、このカラクリを知った時、「そういう事だったのか! 納得です!」と、声が弾みました。
「これからは、たとえ相手に喜んでもらえなくても「自分はそういう資質も持っているんだ。」と思うと、少し気が楽になります。」と言っていました。
これからこの強みを活かしていくために、なるべく相手の立場に立って、本当に相手が喜びそうな事をやる、喜んでくれそうな人だけにやるなど、いろいろ対策を立てました。
「それが自分の強みだったんですね~~。 やっぱり自分では気づかないものですね。有効活用しなきゃ損ですね。」
しみじみ言っていました。
ゴンサレス靖子