スペインの経済はボロボロです。
(とは言っても、みんな明るいですが。さすがラテン。)
道を歩いていると、あそこも、こここもと閉店してしまったお店が目立つようになりました。
私の大好きなケーキ屋さん、”ママ・フランボワーズ”も閉店してしまいました。
緊急事態宣言で3月14日に強制休業に入ってから、そのまま2度と開くことはありませんでした。
そろそろ開くかな、と思っていた6月末に閉店宣言。
(これ、サイトに掲載されてるお別れの言葉…無念感が出ていて、なんだか悲しい…)
いくつもの賞を取った有名パティシエが、鳴り物入りでこのお店を開店したのが、2011年。
飛ぶ鳥を落とすような勢いで流行りだして、どんどんお店を増やして行きました。
質のいい原料で作ったケーキは高かったけど、とっても美味しかったです。
お店も、とってもおしゃれ。
どこも一等地にありました。
コロナで強制休業になる直前まで、お客さんはたくさん入っていたのに。
3ヶ月ちょっとの休業で資金が尽きたとは、まだ商売の土台ができていなかったんでしょうか?
莫大な借金で運営していたのでしょうか?
一方、何代も続いている家族経営っぽい、地味な昔ながらのケーキ屋さんは、みんな生き延びています。
オーソドックスな、でもみんなに愛されているケーキを相変わらずコツコツと、売り続けています。
一見してママフランボワーズの方がうまく行っていたように見えたし、雑誌にもたくさん掲載されていて、カッコよく見えたのに、実状はわからないものですね。
強制休業が無ければ、今まで通りスターの道を歩んだかもしれないのに、案外もろかった。
考えさせられます。
これからの時代は、いくら実力があっても、背伸びしすぎないほうがいいのかも。
地道にコツコツと継続して足場をしっかりさせた上、等身大のやり方でやっていく。
そんな本物の価値が評価される時代が来たのかもしれません。
ゴンサレス靖子