マドリッドでは、先週Fiturという世界最大級の国際観光見本市が開かれました。
世界各国から観光に携わる人達がマドリッドにやってきていました。
町中FITURという名札(?)を首からぶら下げた人でいっぱい。
そんな中、マドリッドではタクシーのゼネスト。
まだスト中で、もう一週間ぐらい続いています。
町にはタクシーが一台も走っていません。
近年利用者が急に増えたウーバーと カビファイ(ウーバーの同業者)に対する規制を要求する為です。
タクシー運転手さんたちは、お客さんが、ウーバーとカビファイに流れていってしまった事に大不満です。
ゼネストはこの国際観光見本市に合わせて行なわれました。
何日かは、見本市会場の前で、タクシーをずらずらと並べ、他の車が入るのをブロックしていました。
この見本市の半分以上の展示者は海外の組織。
もちろん日本も参加しています。
(去年の写真)
折角はるばる遠くからスペインを訪れる人の邪魔をするなんて、ヤダヤダ。
時は流れてくもの。
時代は変わっていくもの。
いつまでも今までの方法でうまくいくか、というとそんな事はないはず。
時代の流れに逆らって生きる事ができない場合もあります。
そんな時、コダック社の事を思い出します。
私の友人が新卒でコダックに入り、お給料はいい、仕事は面白い、同僚や上司も最高、と天国のような日々を送っていました。
コダックが時代に適応できず破産してしまったときは、まさか!と思いました。
世界のトップからいきなりゼロに。(本当は、“いきなり“ではないんでしょうけど)
彼女は、コダックから放り出された後も、しばらくはその実感がなかったとの事。
長い間、仕事につきませんでした。
新しい事を始めるときは、いつも叩く人が現れます。
でも、お客さんがウーバーを選ぶのは、タクシーよりもウーバーがいいと思っているから。
そこで、お客さんの考えを無視して、自分の利益だけを考えて、いくら競合を叩いても、生き残れることはできないでしょう。
お客さんは、そんなに甘くはありません。
私が初めてウーバーを使ったのは、昔タクシーがストをやっていた時。
ストばっかりやってると、私みたいに、「私を運んでくれるなら、タクシーでも、ウーバーでもこだわらない」というお客さんまで失います。
私は、アプリでウーバーを呼ぶより、目の前にいるタクシーに乗り込んでしまうタイプです。
そんな人だって、たくさんいるはず。
タクシーは一律料金で、どんなに需要が多くても、ウーバーのように料金が跳ね上がったりしません。
タクシーだって、そんな風に、ウーバーにないメリットが、たくさんあるはずなのに。
タクシーの運転手たちが、自分達のメリットを語っているのを聞いた事も読んだ事もありません。
いつも、自分たちがどんなに損をしているかという事ばかり語っています。
自分達のメリットには全然注意を向けず、相手を蹴落とす事ばかり考えていては、将来危ういです。
これ、私達自身の普段の行動にも応用できますね。
毎日、教訓ばかりです。
ゴンサレス靖子