今週末は、スペイン考古学博物館で研究者たちが行う、ウイークエンドイベントがありました。
考古学が大好きな旦那と、遺跡に魅せられてヨーロッパにとどまった私は、嬉々として行ってきました。
旦那は、ほぼ確実にストレングスファインダーで言う、「原点思考」を5番目以内に持っています。
(ストレングスファインダーをやってくれていないので本当はわかりませんが)
この原点思考を持つ人は、自然と物事のルーツを考えます。
いつも、思考は過去に向かいます。
だから、歴史は大好きです。
私も遺蹟は好きなんですが、ルーツとか過去の出来事にはあまり興味を惹かれません。
だから、過去の事は、あまり振り返りません。
でも、旦那は、何かをやるときに、必ず過去の事例を知りたがります。
それが必要になった経緯や背景を知ることで、何をしたらよいかを判断します。
「過去」を知ることで「現在」を理解しようとするのです。
私はどちらかと言うと、想像している未来に意識が行って、そこから綱で引っ張られていく感じです。
だから、「過去の事なんて、どうでもいいじゃない。」と思っていたし、旦那の事を過去の事を引っ掻き回すウザイ人だと思っていました。
その考えは ”強みについて” を学んだあとは、ガラリと変わまりました。
旦那にとっては、”今”はいつも”過去”と共にあるとの感覚なんだ…そういう人もいるんだと。
そして、確かにいい面もたくさんあります。
過去にやったことが、ちゃんと整理されていて、新しい事をやるとき、過去に同じような事がなかったか調べ、それを参考にして取り組みます。
だから、大きな失敗はなく、かなり確実です。
過去の資産をうまく使うので、今まで生きてきた経験そのものが、とても価値のあるものになっています。
私は過去の事はすぐに忘れてしまうので、過去の資産がないような感覚を持っています。(もちろん過去自体はあるんですけど、それを感じないのです)
旦那は、”過去を引っ掻き回して” 自分の強みをうまく使っているのです。
昨日のイベントに話は戻ります。
イベントの一つに、紀元前4世紀の彫刻が作られるまでの過程を説明してくれるものがありました。
まず、貴族が彫刻家に彫刻作成を依頼するところから、採石場選び、石運び、彫刻、最後に色付け師しが色を付け。
いろいろな人が携わり、いろいろな過程があります。
私は彫刻を見て、「へ~~、興味深いなあ、昔の彫刻ってこんな感じなんだ~」と感心するだけで、その背景の事なんか考えません。
(旦那は、それが信じられないと言います。)
そうやって、背景を探っていく仕事をしている人は、きっと原点思考を持っている人なんだろうなあなんて、感心をしていました。
そして、説明をしてくれていた大学の先生は、この仕事をやっていて楽しくてしょうがないと思っているのが伝わってきました。
自分の職場から、持ち出し禁止であろう紀元前4世紀の彫刻道具を、こっそり持ってきてそっと見せてくれたり、私達にわかりやすく説明しようという情熱が伝わってきました。
多分、60歳ぐらいだと思いますが、実に若々しく、生き生きしていました。
やっぱり好きで、自分の強みを活かせる仕事っていいよね、と思いながら彼女の話を聞いていました。
それと同時に、原点思考資質を持つ旦那の事を思い出して、私が強みをつぶしてしまう前に、それが強みだって気づいてよかった、と思った日でした。
ゴンサレス靖子