「やりたい事が、見えてこないのです。」
これはもう定番のセリフです。
ただ、原因はさまざま。
「やってみないと、本当にやりたいかどうかわからないですよ。」というアドバイスを忠実に守って、いろいろな事を手当たり次第やったという方がいます。
それでも、全部しっくりこなかったそうです。
お話を聞いてみると、実にいろいろな事を試しているし、勉強もしています。
そして、その中には、彼女の強みをたくさん発揮できるものもありました。
発揮できるはずなのですが…どうも発揮していなかったようなのです。
どうして発揮できなかったかというと、自分の才能の資質に蓋をしてしまっていたからです。
才能の資質というのは、良い方面に出る(強み)だけではなく、あまり良くない出方(弱み)をする場合もあります。
強みとして出しているのに、それを否定されたり、それをやった事によって状況が悪くなってしまう事が多いと「この強みは使わない方が良さそうだ。」と思ってしまって、蓋をしてしまう事が多いのです。
また、弱みとしてでている場合も、やはり状況が悪化していくので、同じように蓋をしてしまいます。
うまく使いこなしていないので、その強みを持っていなかった事にしてしまうのです。
たとえば、ストレングスファインダーで言われている[共感性]という強みは、蓋をしてしまいやすい資質です。
というのも、この資質はうまく使わないと、とても苦しむのです。
実はこの資質、ストレングスファインダーを受けた日本人が多く持つ資質です。
[共感性]の強みは、人の感情を察知する感度がとても高く、他の人の感情が自分の事のようにわかる事です。
だから、人が心を痛めているときは、敏感にその気持ちをキャッチし、助けを差し伸べます。
これはもちろん、強みとして出た場合です。
ただ、そこでその気持ちを受け取ってもらえないと、がっかりします。
そして、受け取ってくれなかったその時の相手のネガティブな感情の影響をうけて、落ち込みます。
また、愚痴、不平、不満など聞いていると、その感情の影響を受けて、自分も気が滅入ってしまいます。
こうやって、人の感情に左右されてしまうというは、とても苦しい事です。
だったら何も感じない方がマシ!と思って、この資質に蓋をしてしまう場合が多いのです。
でもそれはもったいない!
せっかく、言葉に表さなくても、人がどのように感じているかわかり、助けが必要なら、無条件に人に手を差し伸べる事ができるという強みを持っているのに、その気持ちに蓋をしてしまうなんて!
蓋をしてしまうと、そんな強みを持っている人でさえ、人の感情に無関心になります。
本来の自分でいれば、自然と周りの人へ深い思いやりを持ち、細かい配慮をすることができる人なのに。
そうやって、自分の強みに蓋をしてしまうと、本当の自分が隠れてしまいます。
本当の自分を隠してしまっては、自分が本当にやりたい事が何なのか、わからなくなるのは、当たり前です。
でも、いろいろなクライアントさんを見ていると、不思議と、直感で本来の強みが活かせそうな仕事を選んでいる方が多いのです。
(そこは感心です。 人間の脳ってすごいですね。)
でも、いざやってみると、強みが発揮できず、「やっぱり違った。」と思う。
その繰り返し。
ですから、やりたい事が見えてこないときは、まずは、本来自分はどんな人間なのか、と言う事を見つめなおしてみると、案外答えがでてくるかもしれません。
ゴンサレス靖子