「うんうん、この人の話、いいよね」と思わせてくれる、下園壮太さんという、カウンセラーの方がいます。
「これ、私のメールマガジンの読者さんにも役に立ちそうだな。」と思ったので、最近読んだインタビュー記事のレビューを書いてみます。
記事は、「心のトリセツ」というタイトルの連載で、落ち込んだ時の対処法をいろいろと話しています。(ライター柳本操さん)
日常の中で、嫌な気持ちになって、どんよりとしてしまう事は誰にでもあります。
すぐに気を取り直して、元気になればよいのですが、ぐるぐると考えを巡らせてしまって、どんよりした気持ちから抜け出せない時があります。
下園さんは、そんな時には、「心の会議」をしてみると良いと言っています。
そうすると、悩みの芯が見えてきて、前進するエネルギーが出てきます。
一人で悩んでいると、ついつい自分の能力不足や、努力不足などの自分のネガティブな部分にばかり目が行ってしまいます。
そして、ますます自分の気持ちを落ち込ませるという悪循環に陥ってしまいます。
そんな悪循環になってしまう「反省会」はやめて、元気が出てくる「心の会議」をしましょうと提案しています。
では、どんな風にするのでしょうか?
なかなか寝付けないようなとき、ベッドにゆったり横になって、目をつぶりながら自分の言い分に耳を傾けるようなイメージで行ったり、お風呂に入っているときや、電車で座っているときなど、一人の時間がとれるときにリラックスできる環境を作って、自分対自分の対話をします。
私だったら、晴れた日に、木がたくさん茂った公園を散歩しながら考えてみるかもしれません。
(と言いつつ、日本では梅雨入りした地方もあるとのニュースを聞きました。”晴れた日”というのは難しいかもしれませんね。)
その時に、5つのポイントにそって行います。
1. あったことを洗いざらい話そう、という心構えをする
2. 認めたくない気持ち、小さな気持ちも粗末にせず、言葉にする
3. どんな気持ちも、否定しない。肯定する
4. 対策や結論を求めない(対策や結論は、心の会議が終わった後で余裕があれば考える。基本、考えなくていい)
5. 最後に、すべての感情に「ありがとう」と言う
そして、下園さんは例を出してわかりやすく説明しています。
【例】同僚の息子が有名企業への入社が決まったと聞いたAさんの「心の会議」
以下のように、自分に話しかけてみます。
―― どうしたの? 今日はどうだった?
「今日はモヤモヤしてるんだ。まあ、大したことないんだけど」
―― 大したことなくても、いいんだよ。言ってみて。何があった?
「同僚の息子が有名なグローバル企業に入社が決まったって。おめでとう、すごいな、と言ったけど、その後、なんかがっくりして、モヤモヤしてるんだ」
―― モヤモヤしてるんだね。どうしてモヤモヤしてると思う?
「素直に喜べなかった。ぎごちない顔だったと思う。イライラしてきて、その場にいられないような気持ちになった」
―― どうしてイライラしたんだと思う?
「うーん。自分の子どもは、2年前に就職したけど、辞めて今、家でぶらぶらしてる。それをうっすら知っている周囲の同僚たちも自分を気遣っているような気配を感じた。馬鹿にされているような気がした」
―― そっか。同僚の状況と自分を比べてしまったし、周囲から馬鹿にされているように受け取ってしまったんだね。イライラした理由はそれだけかな?
「うーん、違うかな……」
―― 馬鹿にされているように思って悔しかった。それとも、ねたましかった?
「ねたましい、か。うーん、もしかしたら、ねたましいという気持ちもあったかな。あったなぁ、確かにあった」
―― どういうところが、ねたましいと思った?
「仕事のとき、あの同僚は、自分よりいつも楽をしている。有給休暇もきっちり取っている。立ち回りが上手なんだ。それに比べて、オレは手間のかかる案件ばっかり押しつけられて、休む暇がない。なのに、なんであいつばっかりうまくいってんだって、悔しかったし、ねたましかった」
―― そうだったんだね。本当は、どうしてほしい? どうだったら、その気持ちが小さくなると思う?
「自分の頑張りは、誰にも評価されていない。せめて、誰かに褒めてほしい」
悩みの芯は「褒められたい」だったのかもしれません。
悩みの芯を見つけるコツは、見えっ張り、甘えん坊、臆病、頑固、負けず嫌いなどの、どんな気持ちも否定しないで、肯定することです。
一見ネガティブに見える感情も自分を守ってくれる意味のある大切なものです。
その感情があるからこそを、危険を避けることができるのです。
だから、あえて「私を守ろうとしてくれて、ありがとう。」と、とつぶやいてみます。
その言葉を受け止めた感情は、受け入れられた事によって、落ち着いてきます。
そうすると、奥に隠れていた悩みの芯がスルっと出てきたりします。
とはいうものの、もしかしたら、実際はそう簡単にはいかないかもしれません。
それでも、「心の会議」を繰り返して、自分の感情に触れていると、だんだん自分の感情に慣れてきます。
そうすると、たとえ悩みの芯が見つからなかったとしても、
「もう少し様子をみてみようかな、時間が解決するかもしれないし」と思えたり
「ま、今のままでもいいいかな」と気にならなくなったり、
「これって、案外大したことない悩みかも」と思えるようになったりするかもしれません。
そして、その後で、
「なんだ、こんな事だったんだ。」と、その問題が単純なものに見えてきたり、
「ああ思っていたけど、違って実はこういう事だったんだな」と新たな見方ができたり、
「だったらこうするしかないな, もうやるしかないね」と決心がついたりします。
または、単に嫌な気持ちをコントロールできたことで、自信が湧いてくるかもしれません。
下園さんは、「まあ、大したことないかな」と思えるくらいのほどよい着地点を目指して、ほっとできる時間に「心の会議」を開いてみるといいと言っています。
と、私なりの解釈を入れながら、下園さんのインタビューの内容をご紹介しました。
私は、最近はあまり悩みはないです。(悩んでも、忘れてしまっているだけかも。周りは案外愚痴を聞いてるかも??)
とはいえ、悩みとか、嫌な気持ちとか、災難とかっていうのは、予想もしないときにある日突然、ドっとやってきたりします。
そんな時も、うろたえず、元気を出し続けていけるよう、「心の会議」の事を覚えておこうと思い、<< Test 名前 >>さんにシェアすると同時に、自分の心に落としてみました。
落ち込んだり、悩んだりするのは誰にでもあり、避けられない事です。
でも、その気持ちをほっこりと緩めたり、エネルギーに変えたりするのは、自分次第。
くよくよ悩む時間はなくべく少なくして、楽しい時間をなるべく増やしたい、と思っています。
ゴンサレス靖子