いつだったか、「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を聞きました。
「すぐには答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」の事を言うそうです。
何かが「できる能力」ではなく、「できない状況を受け止める能力」そして「解決しにくい状況に焦らず、気長に付き合っていく能力」です。
問題が起こった時に早く、的確に解決する能力、ポジティブ・ケイパビリティーの事はよく聞きますが、ネガティブ・ケイパビリティーの話はあまり聞かないような気がします。
私達は(というか、私?)ついつい、すぐに解決策を求め、さっさと解決をして、次に行きたくなります。
解決できない問題は、「だめだ!」と放り出したくなります。
放り出さないときは、いつまでも、もやもやとすっきりしない気分です。
または、「これはこれでいいんだ。」と、本当はよくないのに、自分をだまして落ち着かせたりします。
それでいい場合もあるのかもしれません。
でも、やはり最終的には解決をした方が、本物の、生き生きとした人生を生きられるような気がします。
とはいえ、世の中にはどうしても、対処のしようがない事態も多いものです。
例えば、私のクライアントさんは海外在住の方が多いので、フリーランスで仕事をしようとするときに、居住・労働ビザの問題にぶつかる事があります。
その国の方と国際結婚をしていれば、自動的に居住ビザはとれますが、そうでない場合、フリーランスだと、いろいろと制約がある国もあります。
フリーランスでなく、転職でさえビザの危機にさらされる事があります。
くやしいですが、法律は法律なので、どうしようもありません。
すぐに解決はできませんが、この状況を受け止めて、今できる事をやって、気長に解決していくしかありません。
その他にも、自分や家族の病気、介護の問題など、解決したくても、すぐには解決できない問題はたくさんあります。
そんな時でも、ドンと構えて、その「解決できない状況」を受け入れて共存していく事ができたら、たとえ問題だらけの人生だとしても、幸せ感を感じながら過ごしていく事ができるのではないかと思っています。
私自身も、このネガティブ・ケイパビリティーの力をもっともっとつけて、たくましく生きていきたいと思っています。
ゴンサレス靖子