以前、ストレングスファインダーが嫌いというKさんに出会いました。
なぜ嫌いかというと、自己理解のプロセスを喪失してしまうからだそうです。
Kさんは自己理解のプロセスが大好き。
Kさんにとって、自己理解とは普段の生活の中で、自分を発見しながら、じっくりと自分と向き合ってやっていくものだそうです。
それをツールに委ねて、さっさとやってしまうのは、もったいないと考え、
ゆっくり、探求して、迷いながら、楽しみながらやっていくのがいい、と言っています。
これを聞いた時、自己理解の方法はひとそれぞれ随分と違うものだと、感心しました。
Kさんは自分の事をとてもよく理解しています。
何が好きか。
何が嫌いか。
誰と一緒にいるか。
どう行動するか。
何をやらないか。
何を目指すか。
すべてがはっきりとわかっています。
Kさんほど自分の事をよくわかっている人は稀でしょう。
Kさんのような方には、ストレングスファインダーのようなツールは必要ないかもしれません。
でも、私達凡人は、そうはいきません。
「どうして自分はこんな風に振舞ってしまうのだろう。」
「なんで、こんな風に考えてしまうんだろう。」
「好きな事はなんだろう。」
「やりたい事はなんだろう。」
と一生懸命考え、それでも結論が出ずに悩み続けます。
そんな時に、ストレングスファインダーのようなツールは大きな助けになります。
全然気に留めていなかった自分の振る舞いや考えや感情、好きな事、嫌いな事をうまく言語してくれます。
それによって、「あ~、そういう事だったんだ。」とバラバラになっていたパズルのピースがきちっとはまったような感覚を覚えます。
ピースがはまれば、こっちのも。
自分という絵が見えてきます。
そうしたら、それを活かしていけばいいわけです。
と、私は思うのですが、Kさんは「せっかくの自己理解のプロセスをツールに任せてしまうのは、おいしいものを食べる行為を人に委ねてしまうようで、もったいない。」と言います。
Kさんのやり方は、例えば、野菜を食べるときに、耕して、種まいて、肥料をあげて、水をあげて、育てて、収穫して、調理して食べるという方法に感じます。
それが楽しくてしょうがないなら、素敵な事ですが、食べるまでの道のりが長い!
そして、野菜は途中で枯れてしまうかも。
そんな時に、そのプロセスを少し短くして、食べるところまで到達させるのが、ストレングスファインダーののようなツールの役割なんじゃないかと思っています。
ゴンサレス靖子
■ 写真提供 Hans~Pixabay