前回は、弱み使いの事をお話しましたが、実はそうやって、つらいと感じていることを、楽しいと思える強みに反転することもできます。
例えばストレングスファインダーの[慎重さ]の資質を持つAさんがいるとします。
A さんは、「 私は考えてばかりで、なかなか行動に移せない」と悩んでいました。
何か新しい事をする時に、あれこれとリスクが思い浮かんでしまって、「こんなにリスクがあるんだから、やめておいたほうがいいんじゃないか」と思って、行動に踏み切れないのです。
Aさんは気づいていませんが、この「リスクが思い浮かぶ」というのが実はすごいのです。
多くの人は、Aさんのように、リスクを思い浮かべる事ができません。
だから、失敗も多いわけですが、Aさんは違います。
考え込んでいる時間は長いかもしれませんが、「リスクが思い浮かぶ」という強みを効果的に使うと、行動をした時に、失敗せずに確実に成果を出します。
こんな感じです。
まず、行動しようとしたとき、あれこれとリスクが浮かんできます。
そうしたら、そこで終わりにしないで、そのリスクどうやったら 避けることができるか考えるのです。
また、それが起きてしまったときのバックアッププランも考えます。
Aさんのように[慎重さ]の資質を上位に持っている方は、そういったリスク対策や、バックアッププランを作るのがとっても上手です。
例えば、今の仕事が苦痛でしかたないので、やめて、自分のビジネスを持ちたいと思っているけれど、不安で踏み切れないとします。
「うまくいかなくて、収入がゼロになるかも。」
「両親に反対されるかも。」
などというリスクが思い浮かびます。
その時に、それらのリスクに対する対策を準備しておくのです。
私のクライアントさんに、会社を 辞める前に、フリーランスで やっていけるかどうか スキルシェアーサイトなどを使って、 受注できるかどうか自分の力を試してみた方がいます。
ここでかなりうまくいき、自分の仕事はニーズが多い事がわかり、たぶん収入が途切れる事はない事がわかりました。
この他にも、外国語を教えるなど、収入源をいくつか用意しました。
また、バックアッププランとして、いざとなったらアルバイトをするとか、また会社員に戻るとか、実家に戻って、しばらくは両親のお世話になる、などの方法があるかと思います。
どのぐらいの間、収入がなくても 暮らしていけるか 計算してみるのもいいでしょう。
「両親に反対されるかも。」という事についての対策は、兄弟を味方につけておいて、両親に話をするときに一緒にいてもらう、両親が納得しそうなストーリーを考えておく、などがあるかもしれません。
そうやって、しっかりと準備をすると、きっと行動ができます。
一度行動すると、しっかりと準備をしてあるので、ミスなく、漏れなく、確実にリスクをさけて、着実に成果を出します。
このように、自分ではマイナスだと思っている考えや行動は、プラスに作用するように変換する事ができます。
それは、びっくりするぐらい効果があります。
そして、やっていて楽しいです。
「え、こんな楽しい方法でいいの?」と思うかもしれません。
私達は何かを達成するのは、苦しみながらやるものだというイメージを持っている場合が多いです。
でも、楽しみながらやることもできるし、その方がうまくいくのです。
ゴンサレス靖子
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