3月3日は父の命日でした。
4年前の夏、父の余命があと半年程だと知らされました。
ちょうど私が日本に帰省している時でした。
肺癌の診断が下されたのです。
運悪く、その時、他の肺の病気を患っていました。
そして、その病気の薬を飲んでいる間は、抗がん剤を使う事が出来ませんでした。
癌の治療はできないという事です。
その時に、「解決策がないって事は、あり得るんだ…」と初めて実感しました。
それまでは、結果はどうであれ、すべての事に、何か解決策が存在すると考えていました。
ここで、初めて、何も尽くす手はなくて、物事が悪化していくのを感じていくしかないんだ、そして、それを避ける事ができない時もあるんだ、と気がつきました。
それからは、問題があっても、解決策があるうちは、ラッキーだと思うようになりました。
そうですよね、解決するチャンスが与えられているのですから。
もし、 あなたが、今の状況を変えたいと思っているとしたら、ちょっと面倒でも、えい、と立ち上がって、動いてみるのをお勧め。
問題を解決して、状況を良くするチャンスが与えられているのですから。
黙って立ち止まっているのは、もったいない。
父の話に戻ると、まずは肺の病気を治す事に全力を尽くしつつ、時間を大切にしながら過ごしました。
好きだった水彩画のクラスには、他界をする一ヶ月前まで通っていました。
81歳でしたが、専門の建築の仕事もゆっくりと続けていました。
痛みがひどくなってからは、緩和ケア病棟に入院をして、最後は家族全員に見守られる中、去って行きました。
病気を治す事は出来なかったけど、最後まで、充実した人生を過ごしていたと思います。
ゴンサレス靖子