「自分に自信がないんです。」
そう言うクライアントさんが、たくさんいます。
とはいえ、人間は、自分の能力を実際よりも高く見る傾向があるそうです。
「それはそうだな。」と、私も心当りがあります。
「フフッ、まあ、3ヶ月もあればできるでしょ。」と思っていた事が、半年ぐらいかかってしまったり。
または、「このぐらい簡単にできるでしょ。」と思った事が結構大変で、取り掛かってから、「参ったなあ。」と思ったり。
だから、昔は「自信が無い」と言う言葉を聞くと「謙虚だなあ」なんて思ったり、「私は、ふてぶてしいのかも。」と思ったりしました。
もちろん、すべての事に対して、自信があるというわけではありません。
でも、自分の強みや良いところを知っているので、「この部分はだめだなあ。」と思う事はあったとしても、自分という人間そのものに自信がなくなることはありません。 (と思います。 でも未来の事はわかりませんよね。)
どんな人にも強みはあるものです。
他の人は、一生懸命にやって、やっとできる事が、自分にはさらっとできてしまう事があるはずです。
だから、すべての事において、自信がない、というのは、本来あり得ない事。
でも、自分の強みって、自分自身では案外気づかないもの。
だから、自分なんて、なんの強みもないって思ってしまう事もあるんです。
何回も、言っているので、「靖子さんのそれ、聞き飽きたよ。」と思っているかもしれません。
でも、その割には、実はまだ自分の強みを知らない、なんてことはないでしょうか??
だから口を酸っぱくして何度も言うわけなのです。
ちょっと昔の事ですが、いつも「自信がない。」と言っていた、友人のB子が強み診断を行いました。
彼女の強みを見た時に、「あ~、そういう事だったんだ。」と腑に落ちた出来事を思い出しました。
女子4人で、旅行に行って、帰りの電車に乗ろうとした時です。
乗る予定の特急長距離電車が停電の為、運行停止になってしまいました。
私達は、「帰れないじゃん.…」と唖然としてしまいました。
そんな中、B子だけ「ちょっと待ってて」と言ってどこかに消えて行きました。
戻ってきたかと思うと、「4時の鈍行は動いてるんだって。それに乗って、〇〇駅まで行って、△△線に乗り換えて、□□駅まで行くと、新幹線があるから、それでなんとか帰れるよ。」と言うではないですか。
「あれ、B子ってこんなにしっかりしてたかな。」と、私達は、再び唖然としました。
何をするにも行き当たりばったりで、しっかりしていると言う印象はなかったんです。
強み診断の結果、B子の一番の強みは、突然の変化にもひるまず、冷静に柔軟に対処できる事だったんです。
「だからあの時、あんな事ができたんだよ。すごいよね〜。あの時は助かったよ。」と言ったら、
「え~、それぐらいするのは、普通だと思ってたよ。
だって帰らなきゃならないじゃない。
もしどうしてもその日に帰れなかったら、宿探さなきゃならないし。
まあ、確かにみんな石のように固まってるだけで、どうしちゃったんだろうって思ってはいたけど。」と返しました。
B子は、自分の強みを認識して、それが他の人の役に立ててるんだ、と気づいた時、ちょっといい気分になったようでした。
その後、意識してその強みを使うようにしたら、自分に自信が出てきたと言っていました。
「なんだか人生調子よくなってきたよ」と、満面の笑顔で言いました。
そうやって、「まさかこれが!」と思う自分の強みを知ると、自己肯定感があがってきます。
そして、その強みを使っていくと、「なんだ、私ってこんなにすごいじゃない!」と自信がみるみる湧いてきます。
強みの発掘はそんな事にもとっても役に立つのです。
ゴンサレス靖子