先週の日曜日から、聖週間が始まりました。
日本ではイースターという呼び方の方が一般的かもしれませんね。
キリスト教の行事で、キリストがエルサレムに入ってから復活するまでを記念するものです。
この時期、学校は休みになり、私が住んでいるマドリッドも4連休になります。
宗教的要素が強いお休みですが、実はこの時期独特の、チョコレートで作られたかわいいお菓子がたくさん並びます。
スイーツが大好きな私は、宗教より、お菓子屋さんのショーウインドーに気がひかれます。
さて、本題に行きましょう。
私達は、ついつい自分のできない部分や、不得意な部分を克服しようとします。
「この部分ができないから、頑張る!」と平均以下のことは、なんとか平均にたどりつこうとします。
学生の時、得意な科目はあまり勉強せずに、赤点を取りそうな、苦手な科目を一生懸命勉強した覚えたありませんか?
私は、物理の勉強は英語の倍ぐらいしたと思います。
それでも、テストの点数は、英語の半分以下でした。
確かに、不得意な事をやり遂げると、達成欲を感じるというメリットはあります。
ただ、成果やスピードを求める場合は、あまりお勧めではありません。
同じだけの労力をかけても、結果は大したことないからです。
やっと普通になるだけ。
もしかしたら、普通にさえならないかもしれません。
学生時代の、物理の勉強は、高校を卒業したかったので、しかたなく勉強しましたが、できる事なら避けたかった事です。
面白い実験があるんです。
アメリカのネブラスカ大学で行われたものです。
速読が苦手な生徒と得意な生徒に分かれて、先生が効果的な速読法を教え、トレーニングをして、結果をみるというものです。
速読が苦手な生徒たちはトレーニングの結果、最初の約1.7倍で読む事ができるようになりました。
トレーニング前は、1分間90文字しか読めなかったのが、トレーニングの後は150文字読めるようになりました。
まあ、トレーニングの成果がなかったとは言えませんよね。
一方、もとから速読が得意だった生徒たちは、トレーニング後は、なんと、最初の8.3倍のスピードで読めるようになったんです。
トレーニング前は1分間に350文字読めていたものが、トレーニング後は2900文字読めるようになりました。
わっ! って思いませんか?
苦手な人は、トレーニングを受けても、得意な人のトレーニング前の数字にも到達してないんです。
私が言いたい事は明らかですよね。
とはいえ、私だってたまに、苦手を克服したくなる時はあるんです。
苦手を克服して、完璧な人間になりたいって、やっぱりチラッと思う事もあるわけです。
そんな時は、この実験を思い出して、「もう人生そんなに残ってないんだよ。それでも、”得意”を犠牲にして、”苦手”に力をいれる?? どっちにしたって、完璧なんて存在しないんだよ。」と言い聞かせるようにしています。
”得意”をもっともっと伸ばして、”苦手”をカバーできるぐらいになった方が、よっぽど有意義だし、やっていて100倍楽しいです。
ゴンサレス靖子