日本では、新型コロナ感染者数の増加で、ざわざわとした気持ちになっている方も多いかと思います。
「感染が心配」という事もありますが、今日はそのことはちょっと横に置いてお話します。
自粛を続けている、ある方はこんな事を語っていました。
「制約制約で、大事なものを奪われて、じわじわ弱らされるような気がする。
友人達との集まりや、ライブや、楽しい事が全部奪われてしまった。」
そうやって話す表情は、随分と元気がなくなっていました。
人はやはり、自分の心が満たされるような楽しい事をしないと、元気がなくなってしまいます。
生き延びるために、何かは食べているけれど、栄養が十分とれていないような状態とでも言うのでしょうか。
たとえ、厳しい状況でも、楽しい事をやり続けることは必要だとひしひしと感じます。
とは言っても、この制約の中では、あれもできない、これもできないと、できない事ばかり思い浮かんでしまうかもしれません。
そして、何をしたいか、ということさえ思い浮かばなくなる場合もあります。
そんな時は、今日これから、または明日、何をやりたいか考えてみるといいです。
「何をやらなくてはならないか。」ではなく「自分は何をやりたいと欲しているか。」です。
それが、「ぐっすり眠ること」などだとしたら、もしぐっすり眠って、すっかり疲れがとれたら何をしたいか考えみます。
そして、それをやることをお勧めします。
精神の栄養補給です。
もし制約があってできないのなら、それに一番近い事をやってみるのです。
私は、去年、スペインで外出制限が出ていた時期に、「旅行に行きたいなあ。」と思うことがしばしばありました。
すでに計画していた、いくつかの旅行が、コロナ禍で列車はキャンセル、ホテルは営業停止で、行けなくなってしまったから、ということもあったかもしれません。
日本行きのチケットだって、すでに購入していましたが、フライトがキャンセルになりました。
だから、余計「旅行に行きたい」という気持ちがあったのかもしれません。
そこで、「旅行に行きたいのはどうしてかな?」と理由を抽象化してみました。
答えは、「新しい体験や、見た事ないものを見て、何かを感じたいから。」
だったらそれをやってみればいい、と思い、人出が少ない時間を見計らって、徒歩範囲の行ったことがないところを散歩する事にしました。
すると、興味深い歴史的建築物があったり、めずらしい草木があったり、新しい発見があって、楽しくかったです。
何度も繰り返すうちに、心もすっかりリフレッシュして、元気いっぱいになりました。
制約がなかった時は、家の近くなど見向きもしなかったので、いい機会でした。
飛行機に乗って行く旅行と、徒歩での散歩は大きな差があるように感じるかもしれませんが、「新しい体験」という点ではどちらも同じです。
シェークスピアのこんな名言があります。
”私はクルミの殻の中に閉じこめられた小さな存在にすぎないかも知れない。
しかし、私は自分自身を無限に広がった宇宙の王者と思いこむこともできるのだ。”
これは、昔、制約が多かった時期に私を支え、励まし続けた言葉でした。
制約の中でも、自分の思考は無限大! できることはたくさんある!と。
ゴンサレス靖子