ちょっとくやしいですが、人生というのは、どの時代に生まれたか、どの国に生まれたかなど、どんな環境に生まれたかということに非常に左右されます。
有利な環境で生まれた人、そうでない人、それぞれ異なるスタートラインに立つことになります。
私は決して不利な環境に生まれたわけではないと思っています。
だからと言って、不満がない超ハッピーな日々を送っていたかというと、そうでもありません。
特に学生から社会人になった時、現状に不満いっぱいでした。
そこで、もっと違った人生があるのではないかという思いで、スペインへ留学を決意したのです。
スペイン移住は、ある意味で環境のリセットとなりました。
それまでの延長上の生活ではなく、生まれ育った場所を離れ、新たな言語、習慣を身につけることは、まるで赤ちゃんのように生まれ変わったような感覚でした。
20代という自分自身を確立しつつあった時期に渡航したので、住居、人間関係、仕事、言葉遣いなど、全てを自分がいいと思うものを自分の意志で選択することができました。
日本で与えられた環境の事は忘れて、主体的に理想の環境を築き上げるチャンスが与えられたのです。
その過程は、周りから見たら、順風満帆に見えたかどうかわかりませんが、私自身は自分で選んだ道を歩んできたことに満足しています。
人生の変化というのは、内側から湧き上がってくるものと、外からの要因によって起こるもののどちららかです。
内側から湧き上がってくる変化は、良い刺激、時には苦しい経験によって起こります。
外からの要因で人生が変わるのは、自分の意志に関わらず起こる場合と、自分が選択した結果起こる場合があります。
私に起きた変化は「スペイン移住」という外からの要因と、それに伴う内面から湧き上がった変化の両方からだったと思います。
スペイン移住は自分で決めたものの、その後の変化は「移住」に伴う、ある意味半分強制的なものでした。
当時は一生懸命で感じませんでしたが、今思うとちょっとだけ、無理をしたかなあとも思っています。
そのおかけで、たくさんの新しいオプションを得ることができて、新しい扉がたくさん開きました。
人生において、生まれた環境は大きな影響を与えると最初に書きましたが、その与えられた環境に甘んじる必要はありません。
人生は自分の手で切り開くことがでます。
変えられる部分を見つけて、自分がいいと思う選択をして、人生を好転させることは可能なのです。
ゴンサレス靖子
■ 写真提供 Silvestre Leon~Pixabay