「あ、昨日あれやるの忘れた。」
歩きながら、また、自分のドジを思い出しました。
私は本当に忘れっぽい。
年のせいではありませんよ。
もう子供の頃からです。
忘れっぽいというよりは、目の前の事に気が集中してしまって、それまでやっていた事への注意がゼロになってしまう感じです。
とにかく、過去も未来もあまり関係なく、今、目の前にある事に、集中する思考回路を持っています。
世の中には、いろいろな思考回路を持っている人がいて、過去の出来事に重要性を置く人、未来の事を夢物語のように語り続ける人なんかもいます。
昔は、そんな考えを持つ人達の事を、理解できませんでした。
過去の事を重要視する人の事は「いつも昔話ばっかり反芻して、後ろ向いて生きてるよ」なんて飽きれていました。
未来を夢物語のように語り続ける人の事は、「それは理想だけどさ~、そうなるために今やらなくちゃならない事も、考えなきゃいけないんじゃない? もっと足を地につけて。」なんて、冷ややかな目で見ていました。
それが、ふと目にしたビジネス雑誌の記事をきっかけに、「それぞれの人が持つ強み」を勉強し始めてからガラっとかわりました。
今では、過去を重要視する人、現在に集中する人、未来のビジョンを見る人は、それぞれの強みがあり、ただ単にそれを活かして生きていけばいいだけなんだ、と思っています。
過去を重要視する人は、「過去」を知ることで「現在」を理解しようとします。
過去に経験した事が、自分の経験値として確実に蓄積されています。
私のように、どんどん忘れるタイプとは正反対で、記憶力がよい印象を受けます。
だから、人の経験もよく覚えています。
私は、このタイプの人に助けられてます。
「あ~、大変だ~、これ無理~~、できない~~」と思っている時に、「でも、あの時こうやって乗り越えてたよね」と、ひとこと言ってくれます。
そうやって、何気なく、昔、自分がうまくやった時の事を、思い出させてくれるのです。
それで、「そうだよ、今回だって、できるよね。」と張り切るエネルギーを湧かせてくれます。
こんないい面に気づいたとき、「この人、いつも過去の事ばかり言っててうざ~~い」と思ってた自分にビンタしたくなりました。
未来の夢物語を語る人についても同じ。
とにかく、いつもいつも、明るい未来について語ってくれます。
このタイプの人は、未来が映像になって見えるそうです。
そんな未来の話を繰り返し聞いていると、「そういう事もできるのかもしれないな。」という、大船に乗ったような気にさせてくれます。
この人達は、「自分の未来は自分でどうにでも創れる」と言います。
落ち込んでいる時も勇気づけてくれる人達です。
私が、「ビジネスを始めたい」と言った時、ほとんどの人は「なんでそんな事わざわざやるの?」「無理でしょ~」と否定的でした。
唯一この未来志向の人達だけが、「へ~~、いいね~~」と、私の話をまじめに聞いてくれて、肯定的でした。
そこで、また、この人達の事を「ふわふわしてる風船みたいな人~~」と思っていた自分に心の中でビンタしました。
そうやって、それぞれの人が持つ強みに注目した時、弱みの方は、どうでもよくなってしまうものです。
自分の強みを知った後は、2次的に人の強みにも目を向けるようになります。
そうすると、自分への理解だけではなく、人への理解も深まります。
そして、気が付くと、驚くぐらいに、人間関係がスムーズになっています。
いい事だらけです。
ゴンサレス靖子