あなたは、たぶん、より良い人生を手に入れたいと思っていますよね。
言うまでもなく、私もそうです。
でも、世の中にはそう思っている人達ばっかりではないんですよ。
意外じゃないですか?
私は、それになかなか気づきませんでした。
ああ、そうだった、と思い出せてくれたエピソードがありました。
私の友人達の旦那さんは、定年になった人達もちらほらいます。
そこで、とっても驚いたことがあるんです。
日本での事です。
多分、今の日本では、ごくごく普通の事なのかもしれません。
でも、私にとってはそうではなく、注意を引きました。
中学校の教頭先生をしていた私の友人の旦那さん。
今から25年ぐらい前から、日本へ行った時は、いつも友人と3人で楽しく食事をする機会を作っています。
その時その時に起きていた、いろいろな話を聞くのは、とっても興味深かったです。
真面目な生徒が多くて、部活に熱心だった頃。
登校拒否児が増えてきて、朝まず登校拒否子の家に行ってお話をしてから、学校に出勤していた頃。
学校が荒れはじめ、いつ刺されるかわからないから、背中はいつも壁に向けていると言っていた頃。
現場が好きだけれど、これ以上断り続けるわけにはいかないな、と最後には教頭先生になりました。
生徒から信頼されていた、とっても優秀な先生だった事が話からわかります。
そして、定年退職。
定年後、数カ月後に、働き始めました。
パンの配達人として。
お金に困っていて、働かなければならなかったわけではありません。
ただ単に、暇だったから、この仕事をしたそうです。
本人にとっては、まったく自然な事のようで、ごく普通に、「今はパンの配達の仕事をしてるんだ。」とサラッと言いました。
「え??」と思ったのは私だけでしょうか?
パンの配達が悪い訳ではありません。
ただ、この方には、もっと他の、少数の人にしかできない貴重な事ができるはず。
経験もスキルもあるし、そして先生の仕事は好きだと言っていました。
パン配達をずっとやりたいと思っていたし、とっても興味があった、というのならまだしも、そうではなくて、ただの暇つぶし。
どうせ暇つぶしをするなら、パン配達は、パン配達をやりたい他の人に任せて、自分は、自分にしかできないことをやった方が、人のためにも自分のためにもなるのに。
なんてもったいない、と私は思ってしまうのです。
でもそれは、もっともっと人に役に立ちたいとか、より良い自分になりたいとか、考えている私の考えです。
みんながみんな、そういうわけではないんだから、その人にとっては、余計なおせっかいだろうなあ、と、ちょっと残念に思いました。
この方だけではなく、もう1人、同じような方がいました。
有名音響メーカーのエンジニアで、世界中を飛び回っていた方が、定年退職後、工場で梱包の仕事をしはじめた、という話を聞きました。
この方は、すぐにやめてしまいましたが、1日でも行った事に驚きです。
これって割りとよくある事なんですね。
今より良い人生を目指すのは、ちょっとばかり、エネルギーと手間がかかるかもしれません。
だから、それを諦めて、目の前にある、自分にとってあまり意味はないけれど、簡単な事で妥協してしまう人がなんと多い事か。
自分の望む人生を手に入れるには、ぼーっとしていては無理です。
ちょっとばかり大変かもしれません。
でも、大きな幸せ感とか、充実感が得られるのは、私達だと思うんです。
だから頑張っていきましょうね!
ゴンサレス靖子