「私って、どうも行動が遅くって、ダメだなあって思っているんです。 」と言う方が結構います。
その度に、「う~~ん、この方の場合は、ダメではないんじゃないかなあ。」と思うのです。
その「行動が遅い」というのには、それなりに理由があったりします。
たとえば、何か新しい事を始める時に、じっくりと考える時間や細かい準備が必要な人と、まずはやってみて、それから考える人がいます。
じっくりと考える時間が必要な人は、「この方法でやると、このリスクがある。 あっちの方法ではあのリスクがある。 ではそっちはどうかな?」と、あらゆるリスクを考えて、「さあリスクはないぞ!」と思った時、初めて行動に移します。
また、こうやってじっくり考える人の中には、「考える事も行動の一つ」という感覚を持つ人もいます。
考える事と行動をすることの境目がないのです。
まずはやってみて、それから考える人タイプの私には、実はまったくわからない感覚です。
でも、じっくり考えるタイプの人は、「その通りなんです!」と言うんです。
それぞれの資質をよく表していると思ったエピソードがあるので、お話しますね。
この前、ある試験を受けました。
まず一週間のセミナーに行き、そこでおまかな事を学習します。
その後、山のように渡された教材で、自分である程度勉強をして、6カ月以内にオンライン試験を受ける、というものでした。
6カ月も期間があると、それぞれの人の特質が現れて面白いです。
まず真っ先に試験に受かったのは、セミナーが終わった後、すぐに勉強をして、準備をして、試験を受けた人達です。
セミナー後、約2週間で合格していました。
セミナーで学んだ事がまだフレッシュに頭の中に残っているうちに、復習をして、試験に臨むというのは一番賢い方法ですよね。
このグループは、じっくり考えて行動するタイプけれど、動くのも早いというタイプの人達ばかりでした。
私から見たら、超優秀な頭脳を持っていて、考えるスピードが並大抵ではない。
じっくり深く考えて、行動に移すスパンが光のように早いのです。
IQもかなりに高いのではないかと思われるような、ほんのわずかにいる天才達だと思っています。
この天才達は例外なので、ちょっと横においておきましょう。
次のグループは、まずはやってみて、それから考える人達。(私はこれ)
セミナー終了後、1カ月以内に試験を受けています。
そして、一回目の試験に落ちて、再試験を受ける事になったりしています。(私もその一人。)
十分準備をしないで、試験を受けてしまうのですよね。
試験に落ちたというショックから立ち直らなければならないし、4時間かかる試験にもう一度時間を費やさなくてはなりません。.
でも仕方がないです。
その方法しかできないのです。
そして、もう一つのグループは、じ~~~っくりと勉強して、何回も復習して、「絶対受かる!」という確信を持つまで試験は受けない人達。
6ヶ月も猶予があるんだから、真っ先に試験を受けるなんて、とんでもない。
2カ月目、3カ月目も早すぎる。
でも、ぎりぎりの6カ月目に受ける、なんて事もしません。
もし落ちても再試験を受けられるように、バックアッププランを立てて、5ヶ月目ぐらいに受けます。
そうやって、みんな、6か月以内にそれぞれ、自分に合ったやり方で合格していきます。
やってみてから考えるタイプの人が、じっくりと腰を落ち着けて勉強しようとしても、うまく行きません。
やってみて、失敗して、そこからしか学んでいけないのです。
でも、このタイプの人達は、失敗に強いです。(慣れもあるかな。)
失敗を失敗と思わず、学びの一つと考える事ができます。
準備をする時間が必要な人に、「さっさとやりなよ。」と、せかしてもうまくいきません。
そして、このタイプの人は、失敗がきらいです。
一回で成功したいのです。
失敗をしたときは、精神的に結構打撃を受けてしまいます。
だから、なるべく失敗はしない方がいいのです。
どちらの方法がいいか、という事ではなく、重要なのは、「自分のやり方はどれなのか?」と見極める事です。
考える事で強みを発揮できるのか、行動する事で、強みで発揮できるのか。
自分の強みを発揮できる方法でやると、自然とうまくいくのです。
だから、「私って、どうも行動が遅くって、ダメだなあって思っているんです。 」と悩んでいる方、もしかしたら、じっくりと考えて、準備をして、行動を遅くしてこそ、うまくいくタイプかもしれないのです。
ゴンサレス靖子