「私の強みからすると、どんな職業が合ってるでしょうか?」
これも定番の質問です。
それを聞きたくなる気持ちはよくわかります。
いろいろやってみたり、考えたりしてみても、どれも自分に合っている職業だと思えない。
いったい自分には何ができるのだろう?
そもそも、何がやりたいのだろう?
と、悩んでいるときは、聞きたくなってしまいます。
確かに、「こういう職業につく人は、こういう強みを持っている人が多い」という傾向は、あるにはあります。
でも、「この強みを持っているからこういう職業に就くといいよ」と決めてかかってしまうのはとても危険です。
なぜかと言うと、強みだけで職業を決める事はできないからです。
職業を決めるには、もっと他にも色々な要素が入ってきます。
それは、性格だったり、好みだったり、価値観だったり、経験だったり、スキルだったり。
例えば、私の知り合いでアンガーマネジメントのファシリテーターの方がいます 。
その方が持っている資質からすると、ネガティブな環境では、自分のエネルギーが吸い取られてしまって、強みが発揮しにくくなります。
そして、アンガーマネージメントを受けに来る方は、自分の怒りをコントロールしたい方。
ですから、必要以上に怒りを感じている、つまりいつも怒っている人達です。
怒っている人達に囲まれているって、とてもネガティブな環境ですよね。
私にとっては意外で、「え~~、この資質を持っていて、アンガーマネジメントのファシリテーターなの? つらくない?」と聞きました。
彼女は、こう答えました。
「アンガーマネジメントは、私の人生にすごく役に立ったものなんだ。
両親は、いつも怒っている人だった。
だからアンガーマネジメントに興味を持ったの。
で、結婚した相手も、なんと、ものすごく怒る人。
当たり前だけど、怒りをたくさん浴びてると、気分悪いし、こっちも、怒りが湧いてくるわけよ。
でも、旦那の事は好きだし、他にいいところがたくさんあるから、ずっと一緒にいたいと思ってる。
だから、アンガーマネジメントを学び始めたの。
そのおかげで人生随分よくなったよ。
これで離婚をまぬがれたと思ってるし。
このアンガーマネジメントは、私にとってすごく大切なもの。
人生を救ってくれたものって言ってもいいぐらい。
身を持って、アンガーマネジメントの必要さを感じてるし、自分自身が実生活で常に活用しているものだから、人にもうまく教えられる。
そして、たくさんの人が、私のように、 怒りの感情とうまくつき合えるようになって、人生を良くして欲しいな、と思ってるんだ。
だから、この仕事、とっても楽しいよ。」
そうか、そうか。 すごい、すごい。
それを話している時の彼女は、生き生きとエネルギーにあふれていました。
ネガティブな環境では、自分のエネルギーが吸い取られてしまうという資質を持っているにも関わらず。
彼女の信念や、価値観や、強い願望や、経験などが、ネガティブな環境をネガティブと感じさせなくしてるんだろうな、思いました。
やっぱり、才能の資質だけで、職業を決めるのは危険。
だから、何ができるか、何をやりたいのか、はっきりしていなくても、まずは、なんとなくでいいから、自分が何をやりたいか考えてみるのが一番。
それから、それをやるにはどうやって自分の強みを使うかを考えるのが得策です。
やりたい事は、絶対ありますよ。
やりたい事はわからない時は、この前書いたように、本来の自分に一度戻ってみて下さいね。
ゴンサレス靖子