Cさんは、「自分の事がどうしても好きになれないんです。」と言って悩んでいました。
「自分を好きになろうと思って、いろいろな本を読んだのですが、どの本にも、
「自分にポジティブになりなさい。」
「自分の良い面に注意を向けなさい」と書いてあります。
だから、そうしようと頑張ってるんですけど、どうしても、自分にいい面があるとは思えないんです。
それで、私って駄目だなあと、ますます落ち込んで、ますます自分の事が嫌いになっていくのです。」と言っていました。
Cさんの才能の資質を見て納得。
(ここで言う才能の資質とは、その人独自が持つ、思考・感情・行動のパターンの事です。)
というのも、Cさんは、人や物事の足りない部分、直したほうがよい部分に惹かれるという資質を持っているのです。
その直したほうがいい部分を、本来あるべき姿にする事に、喜びを感じます。
という事は、人や自分ができていないところばかり見てしまうのです。
良いところだって、たくさんあるのに、そんなの素通り。
彼女にとって「既にできている良いところ」は、重要ではないし、興味もないのです。
ここでは、それが良くないとか、いいとかという話は、横においておきます。
Cさんは、そういう資質を持っているのですから、それを考慮して、作戦を考えなければなりません。
実際、Cさんに、「自分の良い部分に目を向けて。」と言うのは酷です。
良い部分を見る視点で生きていないので、見つけるには、相当苦労します。
苦労したあげく、見つからないので、「どうして見つけられないのだろう。」と苦しみ始めます。
それは無駄な苦しみです。
だから、そんなのもう、やめやめ!
自分の素晴らしい部分を見つけようとするのは、もうやめましょう!
でもCさんに一言。
自分の良いところは見つけられないかもしれません。
人のよいところもあまり気づきませんよね。
それは、Cさんは問題解決の達人だからです。
良い面ではなくて、どの部分がうまく行っていないのかな?と、問題を見つける事が大得意。
他の人が素通りしてしまう問題点に気づきます。
そして、「では、こうやったら、良くなる?」といろいろ試し、解決していきます。
多くの人が逃げてしまうような問題にもじっくり取り組みます。
プログラマーに、この資質を持つ方が多いです。
ソフトがうまく動かない時、どこが問題かとことん突き詰め、そこをカタカタと直していきますよね。
お医者さんにも多いです。
具合の悪いところ見つけ、直して健康な体にしていきます。
そうやって、Cさんは問題解決の達人という強みを持っています。
ただ、Cさんにとっては、それが当たり前すぎて、自分の強みとは思えないかもしれません。
そこで、気に留めておいて欲しいのは、Cさんは、自分が思っているより数倍優秀で、良いところがたくさんある、でも自分にはそれが見えないだけと言う事です。
そして、見えなくてもいいです。
「見えないけど、きっとそうなんだろうな」と、気に留めておいた上で、自分のお得な、問題解決に励んでいけばよいのです。
たまに、問題解決欲求が暴走してしまって、問題ばかりに囲まれ、苦しんでしまう事もあるでしょう。
そんな時は、自分と正反対の人の話を聞くようにすると、いいかもしれません。
世の中には「問題なんか存在するの~~??」と思いながら、楽観的にふわふわ生きている人もいます。
そんな人と接すると、「自分は、問題解決に、のめり込みすぎちゃったな。 世の中には、これを問題にしない人もいるんだ。」と気づいて、気分が楽になるかもしれません。
こんな話をした後、Cさんは、「そうだったんですね! なんだか、一瞬にして、自分の事が嫌いではなくなったような気がします。」と言っていました。
人はそれぞれ独自の思考・感情・行動のパターン(才能の資質)を持っています。
自分ならではのパターン=才能の資質を知ることが、人生の悩みの解決のカギになることもあります。
多くの人に当てはまる解決法も、実は自分には何の役に立たない場合もあります。
それなのに、無理して巷でいいと言われている方法で頑張っても、進歩がないどころか、苦しむだけです。
自分を深く知る事は、悩み解決や、思い通りの人生を歩んでいくのに、とっても重要です。
ゴンサレス靖子