「これをやりたい。」と決めたものの、なかなか行動に移せない事がよくあります。
そんな時は、ついつい、無理に意志の力でなんとかしようと思ってしまいます。
でも、長い間実行できなかった事を、意志の力でなんとかできるようになる人は、ほとんどいません。
というのも、やろうという気持ちがあるのに、行動に移せないのは、なにかの理由があるからなんです。
ですので、まず最初に、落ち着いて、まずは、なぜ行動に移せないのか、その理由を考えてみるといいです。
その中でも、代表的な理由というのは、行動をしないことで、なんらかのメリットを受けているから、という事です。
そこで、その「行動をしない事で受けるメリット」とは何か、考えてみるのです。
そこに、解決策がひそんでいる場合があります。
例を挙げてみます。
ヨーロッパのある国で、観光ガイドをやっていた方。
まだ観光客がわんさかといたころの話です。
「今の収入では生活がキツキツなので、収入を増やしたい。 だから、もっとお客さんが欲しい。 どうしたら、たくさんお客さんが来てくれるんだろう?」と、いつも言っていて、それなりの戦略も練るのに、いざとなると、何もしません。
お客さんにどんどん来てもらえるチャンスがあった時も、あまり積極的ではありませでした。
言っている事と、行動が矛盾していました。
よくよく探ってみると、実は、ガイドの仕事が入ると、子供と一緒にいる時間が少なくなるので、それが嫌だとの事でした。
普段から、もっと子供と一緒にいる時間が欲しいと思っていたのです。
ガイドの仕事を増やさない事で、子供と一緒にいる時間が十分取れるという、彼女にとっては多きなメリットがあったわけです。
ただ、自分自身でお金を稼がなければならない境遇にいたので、このままでは生活が苦しいです。
彼女の場合は、観光ガイドですから、観光地に出かけないと仕事にならなく、かと言って、ガイドの仕事を増やすと、どんどん子供と一緒にいる時間が少なくなってしまうわけです。
下手すると、一日数十分しか一緒にいられない日が続いたりします。
そこで、ちょっと視点を変えて、子供と一緒にいる時間を確保しながらも、何か他のビジネスはできないかと考えました。
今のガイドの仕事を増やす、というオプションは止めたのです。
そこで思い浮かんだ新しい仕事。
現地の絵本を日本語に翻訳をして、キンドルで出版する事にしました。
それなら、家にいてもできます。
ガイドの仕事と平行して、やって行くことになりました。
彼女にとって、ガイドの仕事は好きだし大切でしたが、子供といる時間も大切。
そこでの解決策でした。
なかなか行動ができないときは、こんな風に、思い切って方向を変えてみてるのも手です。
余談ですが、「子供ともっと一緒にいたい。」という思いが、前進にブレーキをかけるケースは結構あるんです。
そのブレーキを離すと、ぐんぐん前進していったりします。
ゴンサレス靖子