「やりたい事がわからない。」
これは、しょっちゅう耳にするフレーズです。
確かに、本当にやりたい事がわからない場合もあります。
でも、よくよくお話を聞くと、ほとんどの場合は、こんな風におっしゃいます。
「やりたい事が全くないわけではないけれど、これが本当にやりたい事なのか、自分でもわからない。」
私も、そうやって、思考の堂々巡りをしていた時期があったので、その気持ちはよくわかります。
でも、考えてみると、それって少し違和感があります。
それは、目の前に美味しそうなケーキがあって、「私はこれを本当に食べたいんだろうか、食べたくないんだろうか?」と悩むような感じです。
お腹がすいてたり、スイーツが好きなら、食べたいと思うでしょう。
お腹がいっぱいだったり、甘いものが苦手なら食べたくないでしょう。
食べたいのか、食べたくないのかは、悩む隙もなく、はっきりしているはずです。
問題なのは、食べるか食べないか。
食べたいけど、これを食べると太ってしまうとか、血糖値が上がって、健康に悪いとか、食べたいけど食べないと決意する事はあります。
でも「食べたい」という気持ちには変わりありません。
「やりたい事」に関しても同じです。
やりたい事があるなら、それは、本当にやりたい事のはずです。
だから、まずは、自分が「やりたい」と思っている気持ちに抵抗せずに、「これが私のやりたい事なんだ。」と素直に受け入れた方がいいです。
自分の気持ちをはっきりと認識する事は重要です。
とは言え、その後「でも。」と続けるのはアリです。
モヤモヤの本当の原因は「本当にこれが自分がやりたい事なのか?」ではなく、「これをやるのか、やらないのか決められない。」という事だと思っています。
「やりたい」と「やるかやらないか」は別問題です。
ケーキを食べたいけど、食べないと決心するのと同じように、やりたいと思うけど、やらない、と決心する事もアリです。
どうしようかと迷っていいるときは、やらないかもしれない理由を書き出してみてください。
例えば、「うまくいくかどうかわからないから。」かもしれません。
でも、うまくいくかどうかは、やってみないとわからないのです。
「絶対うまくいく!」と思っていたことがうまくいかなかったり、
「きっとだめだろうなあ。」と思った事がすごくうまくいく事は、結構あるものです。
時間がない、周りから反対されそう、などの理由もあるかもしれません。
その場合は、どうやったらそれを解決できるか、対策を立ててみればよいのです。
また、「やりたいと思っている事」と「やるべきだと思っている事」を取り違えている場合もあります。
これについては、長くなってしまうので、また他の回で書きます。
そして、やらない理由を書き出してみて、「今はこれをやる時期ではない。」と気づく事もあります。
その時は、それは時期がくるまで温めておくとして、他のやりたい事について、考えてみればいいのです。
とにかく、「やりたい事があるんだけど、これが本当にやりたい事なのか、自分でもわからない。」と、いつまでも思考の堂々巡りして時間を費やしてしまうのはもったいないです。
やるかやらないか決めて、やらないのなら、また他の「やりたい事」について、やるかやらないか決める、それを繰り返すと、「これならやろうかな」というものが見つかるはずです。
根気よくやってみて下さい。
ゴンサレス靖子