“才能の資質=無意識に繰り返し現れる思考・感情・行動のパターン” は、強みに出る場合と、弱みに出る場合があります。
そして、残念ながら、弱みに出やすい才能の資質というものがあります。
そんな資質をたくさん持っている人は、自分自身を苦しめてしまうことも、結構あるのです。
たとえば「責任感」資質。
結構弱みとして現れやすいです。
これは、やると決めた事はどんな事があっても必ずやり遂げる資質です。
コミットメント力が高く、「この人に任せておけば大丈夫。」と周りからの大きな信頼を得ています。
この資質で、自分を苦しめてしまっていたクライアントさんがいました。
このクライアントさんは、責任感に加えて、チャレンジ精神も持ち合わせていたので、「ちょっと難しいかな?」という事も引き受けます。
これは仕事も、家族や友人との間との事も同じです。
余裕があるときは、どんどん物事をかたずけて、次々と人に感謝されて、信頼を蓄積していき、本人自身もとっても満足です。
でも、たくさんの事が重なってしまった場合は、非常に苦しめます。
クライアントさんは、「やる」と約束したすべての事をやり遂げようとしますが、スーパーウ-マンではないので、すべての事を行うのは無理な時もあります。
でも、それでもやるんです!
できないだなんて、自分が許せないのです。
そんな風に大変な状態になってる事に、周りの人が気づけば、手を差し伸べたり、遠慮したりするかもしれません。
でも、大変じゃなさそうに振る舞うので、みんな気づきません。
クライアントさんは命を削ってでも、すべてやり遂げようとします。(とういう風に私には見えました。)
職場では毎日上司に叩かれながらハードに働き、家に帰ってきてからは、子供の面倒と家事をこなします。
難しくて、自分一人ではかなり無理な仕事も、どう考えても時間がもっとないとできないような家事も、自分で「これは私がやる事」と決めて、やり遂げるのです。
これは物理的にも、精神的にも、相当な負担です。
結局、ある日突然息ができなくなり、病院に運び込まれました。
パニック障害でした。
限界だったんですね。
「責任感」の資質が弱みにでると、こんな事にもなるんですよ。
私もその傾向があり、似たような状態になった事があるのでよくわかります。
でも対策はあります。
このクライアントさんには、まず自分がそういう傾向があるという事を認識してもらい、少しでも「苦しいな」と感じた時には、立ち止まる事にしてもらいました。
そして、そんな時は、自分が持っている他の資質、”目的を達成する為に、こんな方法もある、あんな方法もあると、色々なアプローチ方法を考える資質”をスイッチオンする事にしました。 (戦略性資質と呼ばれています)
「この苦しい状態から逃れる方法が必ず、いろいろあるはず。」と、いろいろ方法を考えてもらいました。
すると、思い浮かぶんですね。 いろいろと。
さすが、彼女の強みです。
私が似たような状態になったときは、強みコーチに、「ワカメになった気分になって、スルリ、スルリとその辺にある堅い岩(障害)をよけて通りぬけてみて。」言われました。 (とっても面白い、ユーモアがあるコーチなんです)
そして、ワカメになりながら、なんでも楽天的に考える「ポジティブ」資質をスイッチオンする事で、ものすごく楽になりました。
自分が持っている強みによって、対処する方法が違うんですね。
でも、自分の強みを使って、解決できるんです。
もし、あなたがに、似たような事が起きていたとしたら、是非強みを活用して、今の自分を楽にしてあげてくださいね。
ゴンサレス靖子