昨日ワイナリー見学に行ってきました。
スペインのワインの生産量はイタリア、フランスに次いで
世界第3位ですが、ぶどう畑の面積は世界一です。
ワイナリーではまず最初にぶどうの栽培について説明してくれました。
私が見学したペニャフィエルのワイナリーのぶどうは
なんと水をあげないで、雨の水だけで育てるそうです。
と言ってもそこは年間の降水量422mmです。
東京で1531mm、サンフランシスコで600mmですから、
どれだけ乾燥しているか予想していただけると思います。
砂漠同然の気候です。
しかも土壌は石灰石。
実に不毛の土地です。
そんな過酷の状態で育てられるぶどうの木は、
水を探して地下深くまでまで根を伸ばし、
強い木になり、とても味の濃いブドウを実らせるそうです。
このワイナリーのぶどうの木は大変だな…と思いました。
食事を与えてもらえないから自力でよいしょ、よいしょと
根を伸ばして地下深くまで食事を探しに行く。
体はいつもカラカラ。
背も伸びない。
葉っぱの色もどよんとした深緑。
となりのワイナリーのぶどうの木は、じゃんじゃん水をもらって、
きれいな薄緑の葉をぐんぐん空に向かって伸ばしていく。
でもどうでしょう。
突然のゲリラ雨に、となりのぶどうの木は半分ぐらい流されてしまいます。
ここのぶどうの木は根がしっかりしているのでびくともしません。
そして、隣のぶどうの木が実らせたぶどうは、
なんだか水ぽくて、あまり味がありません。
でも大量の果汁が取れます。
ここのぶどうは果汁は少ないですが、
素晴らしい香りで、まさに濃縮された味のブドウが実ります。
たかがぶどうとはいえ、苦労して過酷な環境で育ち、頑張った方が、
のほほんと何も苦労なく育ったぶどうよりも
数倍素晴らしい果実を実らせるのだな、と感心しました。
私も怠けて楽ばっかりしちゃだめだな。
素晴らしい実を成らせるためには、たくさん努力をしなければ!
と、ぶどうの木に教わった日でした。
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