多くの人の強み診断をやっていて、度々「そんな風に感じているんだ。意外だなあ。」と思う事があります。
それは、人と違う部分を欠点だと思う事。
そして、それを克服して、”周りにいる普通の人”と同じになりたいと思っている事です。
そんな場合は「おっと、ちょっと待って。」と、そちらの方向に進まないように、急いで、でも何気なく止めます。
というのも、その欠点だと思っている部分は、その人の才能の元となっている場合が多く、上手に使えば大きな強みになるからです。
克服して、他の人と同じになるということは、自分ならではの才能の元を否定して、自ら才能を殺すという事です。
それは、もったいなさすぎます。
例えば、人の感情を察知するアンテナの感度が高く、人の感情をまるで自分の事のように感じる人。
悩んでいる人のそばにいると自分もつらくなってしまいます。
自分がトラブルに巻き込まれているわけではないのに、あたかもトラブルのど真ん中にいるような気分になって、とても苦しくなってしまいます。
ただ、周りを見まわしてみると、割とみんな平然としてたりします。
そこで、「どうして自分は人の感情に左右されて、苦しんでしまうんだろう。こんな自分はいやだ。なんとか変えたい。人の感情の影響を受けないようになりたい。」と思ってしまいます。
確かに、人のネガティブな感情を一身に浴びて、自分も同じような気持ちになるのはつらいでしょう。
でも、「人の気持ちを自分の気持ちのように察する事ができる」というのは、よい方面に使うと、素晴らしい強みになります。
周りの人が、体調が悪い時、悲しんでいる時、元気がない時、敏感に気づいて、助けの手を差し伸べてあげる事ができる強み。
しかも、「こういう事をしてあげると助かるに違いない、喜ぶに違いない。」ということが的確にわかるので、助けられた人は救われた気持ちになります。
「そのぐらい、誰だって気づくでしょ。 そして、気づいたら放っておくわけないでしょ。 助けてあげるでしょ。」ときっと思うでしょう。
でも実際は、多くの人はそんなに人の様子を敏感にキャッチできるわけではないし、助けてあげる術が思いつくわけでもないのです。
こんな強みを持つ人は、きっと、普段からいろいろと相談ごともされるでしょう。
誰にでも、できる事ではありません。
だからこの「感情を察知するアンテナの感度」をグーンと下げて、何も感じないようにしよう、とは思わないで欲しいのです。
そうは言っても、人の感情に敏感すぎてつらくなる時もあるでしょう。
その対策として、普段から次の事を気に留めてやってみて下さい。
・人の感情に対するアンテナの感度が高すぎることを自覚する
・ネガティブな感情や環境からは出来るだけ遠ざかる
・出来るだけポジティブな人と一緒にいるようにして、ポジティブエネルギーをもらう。
これで、どーんと落ち込んでしまう事が少なくなるかもしれません。
このように、人と違う部分に才能が隠されていて、それが大きな強みになることが多いのです。
一度、そんな視点で、自分が欠点だと思っている部分を見てみて下さい。
そして、その欠点だと思っている部分を、自分がつらくなる方面には出さないようして、強みとして活かしていくようにしてみて下さい。
ゴンサレス靖子