「さあ、頑張るぞ~」という気力や意志力だけで何かを続けるのは至難の業です。
新しいことを始める時は、なおさらですので、なんとかうまくいくように工夫することが大切です。
その工夫の一つに、「自分ではない違う人になろうとしないこと」があります。
どういう事かというと、「これをやるべきだ」「多くの人がこれをやって成功しているから自分も同じことをしなければならない」という理由で、本来苦手なことや納得できないこと、気が進まないことを無理に行おうとしないことです。
本来の自分とは全く違う人になって、自分しくないやり方で取り組んでみても、たとえ最初はうまくいったとしても長続きしません。
具体的な例を出してみます。
あるサービスのビジネスをしているAさんがいます。
このビジネスを始めたきっかけは、知り合いの知り合いから「有料でこれをやって欲しい。」とお願いされたことです。
その後、口コミで次々と依頼が舞い込み、最初は単発のお小遣い稼ぎだったのが、ビジネスに発展していったのです。
うらやましい限りです。
とはいえ、ぎりぎり生活ができる程度の収入だったので、もっとビジネスを拡大したいと考えました。
そこで、大量の動画をアップしたりSNSに投稿したりすることを始めたのです。
これは専門家からのアドバイスによるものでした。
Aさんは「それって、あまり得意じゃなんだけどな。」と気乗りしないものの、ビジネスを広げたいという気持ちの方が大きくて、張り切ってやりました。
でも、すぐに嫌気がさしてきて、わずか2週間でやめてしまったのです。
その上、せっかくのお仕事さえも、「やっぱりこれ、私には無理だったのかも。」と思い始めました。
責任感があり、信頼できるAさんは、ストレングスファインダーで診断した強みからしても、実は他のどんな方法より、口コミでお客さんを集める方がうまくいくのです。
口コミで集まったお客さんとは、きっと長いお付き合いになります。
そして、友達のようなお付き合いができるような関係を気づくでしょう。
そんなお客さん達に行うサービスは、Aさん自体も楽しく、心地よくできます。
「でも、それじゃあビジネスが拡大しない。」と考えるかもしれません。
でも、Aさんの場合は、口コミが口コミを呼んで、じわじわとお客さんが集まること間違いなしです。
時間は多少かかるかもしれません。
お客さんが十分集まり、資金もたくさんでき、その時にもっとビジネスを広げたいと思ったとしたら、誰かを雇って、やってもらえばいいのです。
自己開示やSNSや動画投稿などが嫌いなのに、Aさん自身が無理にやる事はありません。
やってもうまくいきません。
得意で自分らしい方法で進めるのが一番うまくいきます。
その上、楽しくやっていけます。
何かを始める時は、「自分でない人」にならずに、自分らしい得意な方法でやってくださいね。
ゴンサレス靖子
■ 写真提供 RAEng_Publications~Pixabay