今日は、メールマガジンの読者さんからの質問にお答えします。
質問者を仮に「洋子さん」としましょう。
洋子さんからは、こんなご質問を頂きました。
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私は、空気を読みすぎるあまり、すぐに疲れてしまいます。
その結果、人の言動に影響されて自分の気持ちが浮き沈みしやすいのです。
友人に相談すると、「私もそういうところがある」と共感してくれる人はいますが、私は特に人の言葉を受け流すのが苦手で、つい気にしてしまいます。
そのせいで気持ちが落ち込むことが多いのですが、「もしかしてうつ病なのでは?」と何人かの友人に聞いてみたら、「そうではないと思うよ」と言われました。
今は更年期の時期ということもあり、余計に疲れやすくなっているのかもしれません。
正直なところ、「強み」としてこの性格を活かしたいとは思っておらず、普通に生活しやすくなりたいなと思っています。
できれば、人のことを必要以上に気にしない自分になりたいです。
でも、もともとの性格や気質のせいで、つい相手の顔色をうかがったり「嫌な気持ちにさせていないかな?」と気になってしまいます。
一方で、人に気を使わなすぎる人を見るとイライラしてしまうこともあります。
今の更年期の時期は特に、人付き合いがしんどいと感じることが増えたので、同世代の人と「仲良くする人を選ぶ必要があるよね」と話すこともあります。
人の事を必要以上に気にせず、楽な気分で生活するにはどうしたらいいでしょうか?
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あります、あります、こういう悩み、多いです。
ついつい人の言動に自分が左右されてしまう。。。
洋子さんは人の気持ちをとても大切にして、つい自分を後回しにしてしまいがちになるのだと思います。
きっと、場の空気や人々の微細な表情の変化にも気づき、他人が何を感じているのかを敏感に察知するこができる、という資質をお持ちなのです。
そして、その資質は使い方次第で、強みとなったり、自分を苦しめたりします。
今の洋子さんは自分を苦しめる使い方をしてしまっている時が多いのかもしれません。
例えば、人が言った事を必要以上に深く、しかもネガティブに考えてしまい、くよくよ悩んでしまったりする場合があるかもしれません。
昔、知り合いがこんな事を話していました。
その日にあった嫌な事を報告してくる友人がいたそうです。
ある日、「今日は、嫌な事だけじゃなくて、何かいい事はなかったの?」と何気なく言ったら、ものすごく気にしてしまって、それからというもの、知人を避けるようになってしまいました。
思い切ってなぜかと聞いてみたら、「あなたにネガティブな事を言ってはいけないんだ、って思って。あなたは私の話を聞くのをイヤだと思ってるでしょ。 だからもう自分から声はかけないと決めたの。」という答えが返ってきたそうです。
私の知り合いは、「「いい出来事」を思い出す事によって、気持ちを明るくできるかもしれないと思って言ったのに、ものすごく驚いた。」と言っていました。
知り合いの友人は、知り合いの意図と全く違う事を想像して、落ち込んでいたのです。
もしかしたら、似たような事は洋子さんにもあるかもしれません。
だとしたら、そんな時は、もしできるなら、「あの時言われたあの事がすごく気になっているんだけど。」と直接聞いてみてください。
もしかしたら相手は、全く洋子さんが考えている意図で言っていないかもしれません。
また、よくあるケースですが、自分が言った事、行動したことが、人を悪い気分にしていないか、と気になって仕方がない時もあるかもしれません。
でも多くの人は洋子さんほど、人の感情を察知する能力を持っていません。
洋子さんよりはるかに鈍感なのです。
ですので、洋子さんが心配しているほど、他の人は洋子さんが言った事や、やったことを気にしていないのです。
「悪い事したかな?」と気になったときは一度本人に「あの時、私こんな事言ったけど、気分悪くしてない?」と聞いてみてください。
たぶん「全然気にしてないよ」と言うでしょう。
もしかしたら、「え、そんな事あったっけ?」と言うかもしません。
それを繰り返していくうちに、きっと、「私って考えすぎてたんだ。」と気づけるようになるのではないかと思います。
他にもそんな資質と向き合いながら、楽に過ごす方法はあります。
こんな事をやってみてください。
● 相手の感情を感じすぎてしまうとき、 心の中で相手との間に透明なアクリル板を置くイメージを持ってみてください。
アクリル板は相手の事は見えるけど、ウイルスなど有害なものは遮断してくれますよね。
相手の事は見えているけれど、有害なものは通さない、そんな感覚を持つのです。
自分の感情と相手の感情を分けて考える助けになります。
こうやって境界線を設定することで、他人の感情に影響されずに、自分の感情と向き合うことができます。
● 自分の感情は他人の感情と同じとは限らないと、何度もつぶやいてください。
「あの時私が言った事は、あの人に気に障ったかもしれない。」「これをやったらあの人が嫌がるかもしれない。」というのは、洋子さんの感情です。
相手はそんな事は思わないかもしれない、という事を頭の中に入れておいて、想像に少しブレーキを掛けます。
● 自分を大切にすることを心がけてみてください。
洋子さんは周りの人の感情をキャッチして、自分の事のように感じるので、それにエネルギーをたくさん使ってしまいます。
何人もの他人の感情の中に生きてるような感覚です。
ですので、とても疲れてしまいます。
定期的に自分のための時間をとって、リラックスしたり、好きな事をしたりして、疲れをとってください。
これらの事を簡単にできるとは言いません。
最初はなんとなく気に留めておく程度になるかもしれません。
でも、いつも気に留めて置くことによって、だんだんと楽に生きられるようになるかもしれません。
そして、最後一番大切なことをお伝えします。
こういった洋子さんを困らせている資質の裏側には実は素晴らしい強みが隠されているのです。
人が困っていたり、苦しんでいると、それを敏感に察知して、手を差し伸べます。
他人の問題を自分の事のように感じて、助けるのです。
きっと洋子さんは「親切な人」と周りから慕われているでしょう。
また、苦しみだけではなく、他人の喜びも自分の事のように感じ、一緒に喜びます。
洋子さんは人の感情を察する能力は人の何倍もあり、多くの人は洋子さんよりはるかに鈍感で、いろいろな事に気づかず生活しているのです。
そのせいで、苦しむ事もあるかもしれませんが、この資質を強みとして活かすことによって、素晴らしい人間関係を築くことができ、楽に生きるだけでなく、幸せを感じながら生きることができるようになります。
そんな事を考えながら、過ごしてみてください。
ゴンサレス靖子
■ 写真提供 Chu Viết Đôn~Pixabay